紀北 生石山 おいしやま 870m
sanpo.no.508 18年9月23日(土) 晴れ 気温27℃ メンバー

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コース:河内長野市三日市町8:00→10:00生石山駐車場→笠石→山頂一等三角点→硯水湿原→ピストン  

 「なにもすることがないのだったら田舎の墓参りでも行って来たら・・・」と妻の一言におっそうだ故郷の生石山に「マツムシソウが咲いている」。と近くに住む妹のメールを思い出した。生石山、地図では生石ケ峰となっているが地元では親しみを込めて「おいしやま」と呼んでいる。山に向かう途中、車の中からメールすると都合よく妹達も4人でこれから登るところだという。
生石山への車道から写す 梅本地区で


 山頂近くまで車で登山口の小川の宮から30分、歩いて登るとこの駐車場まで2時間20分かかる。だから最近は歩いて登る人は少ないが、車で幼児からお年寄りまで来れるのである。

写真 笠石前の広場 乳母車を押している姿も。



 駐車場から食堂・売店の下を通り、山頂の一等三角点に向かう。穂が出始めたススキ、蛇紋岩・地質のせいか岩湧山のススキの半分ぐらいの背丈で70cm~100mぐらい。このススキを幅2mぐらいに刈り分けて遊歩道が付いている。草むらにはいたる所にオミナエシ、ツリガネニンジン、クルマバナ、マルバハギ、ヨシノアザミが見られる。オトコエシは少ない。ホソバノヤマハハコ、ゲンノショウコの白花、赤花、シシウドが点在する。花が終わったテリハノイバラ、オニユリ、コオニユリ、シラヤマギク、キキョウも多い。

写真 マルバハギ



 山頂の一等三角点まではゆったりとした登りで、背後に和歌山港、淡路島、湯浅港などを展望しながら歩く。木陰は全くなく広々とした草原の中の遊歩道はとても気持ちがよい。山頂はゆるやかで芝生の上に寝転んでいる人も見受けられる。ここから5分ほど西側に下ったところが硯水湿原である。途中、お目当てのマツムシソウが見つかる。痩せ地の為かやや小ぶりながら20株ほど咲いていた。ツリガネニンジン、オミナエシ等も多数ある。

写真 山頂への遊歩道。
写真 笠石付近
写真 左 無線塔
    右 薄く和歌山港方面
写真 山頂 1等3角点
    薄く湯浅湾が見られる。
写真 マツムシソウ

かなり広範囲に分布していた。




 

 硯水湿原は木造が設置され周囲はよく保存されている。サワギキョウは少し名残の花をつけていた。ワレモコウ、サワヒヨドリ、キセルアザミ、シオガマギクが満開、アケボノソウが咲き始め、マルバモウセンゴケ、ミソハギ、コバノギボウシの花後も見られる。ウメバチソウは蕾。


 
 合流した妹達の案内でホソバヒメトラノオを見に行く。岩のゴロゴロしたところにクガイソウによく似た花を付けていた。誰かが10本ほど折採り草むらに捨てている。和歌山県の絶滅危惧1類(絶滅の危機に瀕している)の1Bにランクされる貴重な花を、なにをするんだ。笠石周辺にもマツムシソウが多く見られた。また岩場の上にヒオウギの株も。

写真 ホソバヒメトラノオを始めて見た。


 


 生石山に咲いている花の写真が展示されているというので売店に寄った。生石山自然を守る会NPOのWさんから日頃の保護活動について伺った。貴重な花の種を採取して育苗し、苗を山に戻しているという。ヒメヒゴタイの場所も伺ったが時間切れでまた見に来ようと思う。またスミレ類も多く23種が確認されているようだ。中でもここで新たに見つかった「コウボウスミレ」と「スズキスミレ」は是非見たいものだ。今日来て、一般の人には認知されていないが、この生石山には貴重な植物が多いのに驚くとともに新たな魅力を発見した。
なお今年の7月23日にも訪問している。


参考:生石山の貴重種 和歌山県レッドレーターブツクより抜粋
ウメバチソウ、キキョウ、キクアザミ、サルマメ、タムラソウ、ヒツジグサ、ヒメヒゴタイ、ヒメユリ、ホソバノヤマハハコ、ホソバヒメトラノオ、マツムシソウ、ムラサキセンブリ、マルバモウセンゴケ等。



アケボノソウ  ヒキオコシ 葉を舐めるとセンブリのように苦いので
気を失なった人も我に返るというので名づけられた。
クルマバナ 数段輪生して咲く。 オミナエシ いたるところに見られた。
オトギリソウ 兄の時頼が鷹の傷を治す秘薬を
もらした弟の首を切ったという哀れな話がある。
サワギキョウ
シオガマギク 花は茎の上部に点々と付く、
トモエシオガマは上部に詰まってつき上から
見ると巴状に捩れ、中部地方以北に多い。
ツルリンドウ
ウメバチソウ 2週間位で咲くだろうか。 ミヤマフユイチゴ フユイチゴに比べて葉や茎、
萼に毛がない。葉先が尖る。日当たり地を好む。
ハイメドハギ メドハギの変種 茎が地を這う。 ヒオウギ 来年の夏には見たいもの。
ホソバノヤマハハコ 
西日本に多い、東日本はヤマハハコが多い。
キセルアザミ 
文字通り頭花の姿をキセルに例えたもの。
サワヒヨドリ 
ヒヨドリバナに比べて葉柄がなく
湿り気のあるところを好む。
ツリガネニンジン



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