岩湧山


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sanpo.no.96
13年8月5日(日) 晴れ。 気温34℃

自然観察会「いわわきネイチャークラブ」に参加

コース:四季彩館→いにしえの道→いわわきの道→ダイトレ(巻き道)→山頂→急坂の道→四季彩館

出発前
8時50分に集合場所の四季彩館に到着。すでに大阪市内長居から、Oさんが自転車で来ていた。「午前4時30分に家を出た」と言うから驚く。
先月、Dさんに頼んでいた「樹に咲く花合弁花」の新刊の図鑑をそれぞれ受け取る。いつも格安で購入してもらいありがたい。
大阪狭山市からのSさんと堺市からのHさんの2人が初参加。それにOさん、Mさん、Dさん、ASさん、若いADさんご夫婦にリーダーのUさんと私の計10名が参加
自己紹介後それぞれ名札を着用、Uさんが用意した8月の観察会の予定の書かれた「しおり」を受け取る。この「しおり」には8月の観察会の予定やルート、主な花と、7月の観察会の報告が20ページにわたり記録されているりっぱなもの。2年にわたり毎月用意頂き、深謝。Uさんから今日のコースと見頃の花の説明を受けたあと、9時30分に出発。

イワタバコが咲いた。


野草園へ通じる石段を下っていにしえの道へ。前方グループが石段の途中でUさんよりウシタキソウの説明を受けている。いにしえの道に進んで、咲き始めたシュウカイドウを見学。その隣で真っ赤な色をした花、マルミノヤマゴボウに目を奪われる。Uさん、Oさん代わる代わる撮影する。同じ仲間でヤマゴボウ、ヨウシュヤマゴボウがこの山で生育する。
ミゾソバが咲き始めた。「牛のひたいに似ているので別名はウシノヒタイという」とUさん。 この付近では他にウバユリ、ハナタデ、ノブキ、ミズヒキ、ヌスビトハギ等が咲き始めた。
滝壷のイワタバコを見に行く。滝の上方の岩肌に無数のイワタバコが生育し、そろそろ花が咲き始め、こらから2週間ぐらいが見頃と思われる。お稲荷さんの石段にもが蕾をつけていた。薄暗くジメジメしたこの場所がよほどよいのだろう。
この滝壷のそばの水場にワサビの株が見つかる。Mさんが株の草むらをかき分け葉っぱを確認。
いにしえの道に入ってミズタマソウを発見。「先ほど見たウシタキソウに似ているが、葉が細長く全体に毛が少ない。どちらも同じ仲間のアカバナ科のミズタマソウ属でよく似ている。」とMさんの説明。

オトギリソウの伝説
最初の水場付近でオトギリソウが咲いていた。この花には悲しい伝説がある。この草を鷹の傷を治す秘薬としていた鷹飼いが、その秘密をもらした弟を切ったためこの名がついたといわれる。この仲間は岩湧山では4種が見つかっている。トモエソウ、サワオトギリ、コケオトギリとオトギリソウ。いずれもよく似ているがそれぞれ特徴があり慣れればすぐ分かる。メンバーがそれぞれルーペで観察すると、オトギリソウには花や葉に黒点が多いのがわかった。弟を切った時に飛び散った血が黒点になったという言い伝えがあるが。
いわわきの道ではギンミズヒキ、アキチョウジ、クサアジサイなどが咲き始めた。ミゾホウズキ、ミズタビラコは5月頃からずっと咲きつづけている息の長い花。
ヤマノイモ属の花の盛期である。「オニドコロのトコロ(野老)のいわれは、エビ(海老)に対する呼び名」とUさん。この属は雌雄別株で、雄花は直立し雌花が垂れ下がるという特徴があるが、ヒメドコロは雌雄とも垂れ下がる。
ツリフネソウは木陰のためかまだ開花していない。シロテンマのポイントで、黒ずみ枯れたシロテンマの花を観察。ここにも見つかったとASさん。かなり広範囲に生育しているらしい。「去年は7月15日に、今年は7月14日に開花を確認した」と私。
ここで初参加のHさんが挨拶をし帰る。用事ができたのだろうか。
いつもの昼食場所の巻き道に到着したが、陽射しが強く蒸し暑いので先へ進む。山頂カヤ原入口のゲート前の杉の木陰で昼食。Dさんが先に下山。

オオナンバンギセルがここにも、あそこにも
カヤ原に進む。小さなヒメヤブランの花盛り。カワラナデシコ、マルバハギ、コオニユリの紅色の花が緑のススキの中に映える。赤く実をつけ始めたナワシロイチゴをみんなで試食する。黒ずんだ実が美味しい。
山頂の三角点前で「オオナンバンギセルが見つかった」とASさんの声。可愛いいピンクの15cmぐらいの高さ、花というよりナンバンギセルみたいな植物?が5本。これ以外の名がつけられようか。昔の人はうまい名づけをしたと思うが。みんなが注目し代わる代わる確認し撮影。また、ASさん、小いさな杖でカヤの根元をかき分け「ここにもある」という。
これを契機に「ここにもある,あそにもある」との声があちこちであがる。観察会の一番嬉しいクライマックス。 どうやら一面に広がっているようだ。DさんHさんが先に下山してしまって惜しい気がする。
Mさん、Uさんがナンバンギセルとオオナンバンギセルの同定作業。
図鑑では「オオナンバンギセルはよく似ているが、より大型で萼の先端がとがらず、花冠のふちに細かい鋸歯がある」とあるが、どれもみな萼の先端がとがっていて、花冠のふちに細かい鋸歯があるが。どちらとも判定できないようだ。

山頂付近は山道確保のため、ススキが道の両脇が刈取られていた。去年より小規模であり野草の被害は少ない。唯一の道端のワレモコウ、5本ほど先端が刈られていたが大部分無事で「よかったよかった」。
高さが 4〜5cmぐらいで踏みつけてしまいそうなコケオトギリをUさんが見つける。これがオトギリソウの仲間か、よく見れば花は似ている。秋には紅葉するらしいが、少し赤味がかっていた。

ヒキオコシ
西側のベンチの方向に下る。ヒメドコロの雌花があちこちに咲き、種まで出来かけている。ヒキオコシが大きくなっていた。Mさんと葉をなめるとすごい苦さ。
索道場から見上げる青々としたススキはとても美しい。今春火入れをし雑木を駆除したため、なおきれいだ。ここでもナンバンギセルが見つかり、Uさん、先ほどに続いて標本を採取。
ここで、Mさん見つけたキキョウの説明。「この花は、はじめ雌しべを5個の雄しべが包んで、先に雄しべが熟し花粉をだし終わると、花柱が5裂し他花からの花粉を受ける。

 

急坂の道を下る
ノリウツギがまだ咲いていた。Kさんが去年見つけたオオバノトンボソウはもう既に咲き終わっていた。
アオツヅラフジ、ガンクビソウ、ナツフジが咲いた。ヒカゲノカズラも咲いており、花穂を軽くたたくと胞子が白い粉なのようなように飛び散った。
岩湧寺の住職がアジサイの花後の剪定をしていたので、以前から気になっていたアスナロの木の場所を尋ねる。メンバーから外れて見に行く。多宝塔のすぐ東に4mぐらいに成長していた。この木は成長の早さがヒノキの半分だが、よい材質の建材になる他、幸せの木として能登地方の人々は大切にする。民芸品のワラ細工の土産に葉っぱをつけたりする。この葉っぱを財布に入れておくとお金が貯まるそうだ。明日はヒノキになろうという古い小説がありましたが。ちなみにアスナロは和名では翌檜である。

四季彩館でミーティング
今日の収穫・・・オオナンバンギセル(ナンバンギセルはなし)、ノカラマツの発見。
ハイキング道の草刈から野草の保護について・・・8月19日(日)有志のもので、保護すべき野草に、先に加工した竹杭を立てる。いにしえの道のナンバンハコベ、行者の道のトモエソウなど。
ダイトレの修繕に対する大阪府への提言。・・・ホームページなどで一般の方にも呼びかけしている。

4時30分頃散会。いにしえの道を下る。野草園のそばにハシカグサ、キツネノマゴ、ツルニガクサが咲き始めた。第2駐車場の小さなトチノ木、始めて5個の実をつけた。
みはらしの道のトモエソウを有志が見学。今朝、四季彩館に集合前に見たときより少ししぼんでいた。 この花は1日花(1日しか咲かない)のため、花を見られるのは幸運だ。ここの花芽は3本だけなのでなおさらのことであった。(西原記)

(メンバー:10名)


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