南ア 白峰三山(北岳〜間ノ岳〜農鳥岳)+広河内岳 sanpo.no.909 22年8月21日(土)〜23日(月) 快晴 メンバー3 第一日目 8月21日 コースタイム5:30広河原〜7:50二股〜9:47小太郎尾根〜10:33肩ノ小屋〜11:30北岳12:15〜14:00北岳山荘 昨夜は広河原山荘に泊まり午前5時の朝食をすませ、 5時30分、日本第2の高峰、北岳を目指して出発。大樺沢を遡る。始めのうちはなかなか調子が上がらない。 上部の雪渓から流れ出した水は冷たくごう音を立てて流れている。この8月の後半、あまり期待していなかった花々が咲き乱れてカメラの方も忙しい。 春の花のオドリコソウが咲いているそばで、初夏の花のバイカウツギが咲き、秋の花のコウシンヤマハッカが咲いている。高山ならでは見られる光景だ。 7時50分雪渓の残る二股に着く。二股までは沢を流れに沿って遡った。北岳バットレス(日本山岳会創設者、小島烏水が命名した600mの大岸壁)をバックに満開のヤナギラン(アカバナ科)を撮る。遠くからで北岳バットレスの迫力も期待していたほどでもなかった。 ここから右股コースに向かう。 北岳と白馬だけに見られるミヤマハナシノブ(ミヤマハナシノブ科)だとTさん。ミヤマハナシノブがたくさん出てきてちょうど満開の時期のようだ。同行のTさんは信州生まれ、学生時代からアルプスの山を駆け巡っていたので、高山植物の先生である。 外国人の登山者が富士だと呼ぶ。富士が雲間に僅かに頭をだしている。小太郎尾根には9時47分に着く。 快晴の空に鳳凰三山、甲斐駒、鋸岳、仙丈ヶ 岳が見渡せてとても爽快。カメラに忙しい。 谷間から吹き上げたガスが徐々に山を隠し始めた。肩ノ小屋に10時33分着いた頃には期待の富士もガスの中。 10時頃が最高に展望ができた。 小太郎尾根から赤雉沢ノ頭と鳳凰三山 地蔵岳(オベリスクがある)、観音岳、薬師岳 小太郎尾根から 仙丈ヶ岳3032m 小太郎尾根から北岳 肩ノ小屋 肩ノ小屋を出発して急な鎖場で軽く右足が滑った時、ビリッとしびれが走り足がつり出した。ほんの数分後には治まり大事に至らずホッした。 11時30分北岳登頂達成!感激の囲炉裏村のバンダナショット。 ふりかえれば4年前の平成18年8月青春18切符で夜行列車(それも品川まで周り)とバスを乗り継いで広河原まで来たが生憎 の台風来襲で泣く泣く撤退している。今日、リベンジ北岳を達成した。百名山を目指すOさんは北岳に足跡を残した。 下界は連日35℃を越す猛暑だが、ここでは 吹く風 は冷たく汗は見る見る内に引いてくる。 少し南の岩場が04年にGPSで測りなおし、0.8cmm高くなった地点である。だから三角点は3192m、南の岩場が3193mとなっているとTさん。 ガスで北岳からの大展望は望めず、昼食をすませて12時15分八本歯のコルに向 かい、途中から北岳小屋にトラバースする道に進む。このトラバース道は高山植物の宝庫で縄を張ったお花畑になっている。 Tさんからキタダケソウの葉の説明を聞く。北岳の特産種で6月頃に咲くようです。 タカネビランジ、キンロバイ、イワギキョウ、イワオウギ、トウヤクリンドウ、キタダケヨモギ、ヨツバシオガマ等々たくさんの花に会えた。 北岳山荘と北岳 北岳山荘には14 時に到着。宿泊手続き。今日は土曜日で泊り客多く布団1枚に2人で大変な混雑。早速、小屋前のベンチでビールをグイー。4時30 分からの夕食を待つ。 夕食後、夕日の富士を待ち構える。寒くて上 着を着込む。雲で期待していた風景が見られず残念。宿泊客は定員150人に対し、250人ぐらいだろう。再割り振り にきて、布団2枚に3人となり少し余裕ができた。 第二日目 8月22日 コースタイム5:00北岳山荘〜5:39中白根山〜6:40間ノ岳〜9:45農鳥岳〜10:30広河内岳分岐11:50〜広河内岳12:00〜14:35大門沢小屋 22日、4時30分の朝食をすませて薄明かりの中、中白根山を目指して出発。 朝日がだんだん上がりだし今日も素晴らしい天気だ。 富士山の朝日を皆が待っている。 北岳、甲斐駒ケ岳、鋸岳 他に仙丈ヶ岳、中央アルプス、塩見岳等の大展望を楽しむ。北アルプスの槍・穂高まで見渡せた。 北岳、甲斐駒ケ岳、鋸岳 北岳の後ろは八ケ岳 中白根山3055mから、3000m級の日本一高い縦走路を2.5kmほど歩 き、6時40分、間ノ岳3189mに達す 間ノ岳山頂 間ノ岳山頂で展望を楽しむ。赤フンのパフォーマン スをやる若者に笑いがこみ上げてくる。間ノ岳を後に農鳥岳に向かう。 こちらはグンと登山者が減る。 7時50分農鳥小屋でトイレを借りる。どのドアの中も物が積み上がり汚い。ここには泊まりたくない。 9時、西農鳥岳3050m付近は岩稜の厳しい上りで気が抜けない。山名板もないが 後続の登山者は間違いないと言う。 再び荒々しい岩稜地帯を抜けて9時45 分、農鳥岳3026mに着く。ここからは塩見岳や荒川三山が一 望できたが北岳方面はガスの中 10時30分、広河内岳分岐に着く。 広々した丘陵にみおつくしの鐘が立つ。道標を兼ねて建てられている。 若者が吹雪のなかで道を失い遭難とある。鐘を鳴らす。昼飯を食ってリックを置いて、Tさん願望の広河内岳に向かう。杯松の中を歩きニセ ピーク2つを過ぎると山頂2895mだ。山頂には今年7月熊野青岸渡寺遥拝の 木札が納められていた。 12時、広河内岳分岐に戻ると山ガール 2人が金を鳴らしていた。 広河内岳 後ろは塩見岳 大門沢小屋を目指して下りに入る。岩や石ころだらけの急激な下りが延々と続 き脛が心配になるほどだ。数組の団体を追い抜き標高差約1000mほどを下り14時35分大門沢小屋に到着する。 3時間のコース予定のところ2時間半ほどで下りてきたが、こんな酷い下りは初めて で二度と来たくないとはTさん。 大門沢小屋は看板は立派だが中は昭和40年代。カレンダーが昭和42年のまま ビールの会社のポスターが右から左書き。 Oさんは500円のシャワー。私と Tさんと下の川の冷たい水で体を拭く。ビールを飲みながら夕食を待つ。 5時からの夕食は質素なもので10cmほどの川魚の煮つけとネガ マリ竹2本と漬物、味噌汁でご飯のお代わりなし。 今夜の布団1枚に2人。夕方のシャワーの差が出た。Oさんは君らは汗臭いから山ガールの隣りにはわしが寝るとさっさと陣取ってしまった。尊敬を込めて?山ガールと呼んでいたが、本人はヤマンバとか言っていたっけ。地元の甲府からきていて、山梨百名山を目指しているという30〜40歳代の女性。 第三日目 8月23日 コースタイム:5:35大門沢小屋〜7:34広河内橋バス停〜広河原〜夜叉神峠 23日、5時の朝食をすませて、5時35分、奈良田に向けて下る。 今日も標高差約1000mの下りだ。 渡渉の丸木橋が3箇所もあり注意を要する。高さは2mぐらいだが、雨で濡れたらとても危険だ。
北岳の花 大樺沢はコウシンヤマハッカ、カニコウモリ、イワオトギリ、シナノナデシコ、ソバナ、レイジンソウ、イブキトラノオ、ムカゴトラノオ、シナノキンバイ、センジュガンピ、コウメバチソウ、クロクモソウ、ハクサンフウロ、トモエシオガマ、ハクサンイチゲ、ホソバトリカブト等多かった。 北岳の北斜面は固有種のキタダケソウをはじめとする一大お花畑になっている。サクラソウ科の花は少ない。 他は北アで見られる主な花はここでも大概見られた。だが花の種類を見て山域の違いを感じた。百種ほど写真に撮りましたが一部の写真を掲載します。間違いあればご指摘下さい。
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