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山   名  大峰行者還岳1546m
    sanpo.no.742 20年6月7日(土)晴れ 気温18℃ メンバー 6
コースタイム 8:20大川口〜10:52行者還岳小屋11:15〜11:42行者還岳12:40〜12:55行者還岳小屋13:05〜14:16休憩14:45〜15:05出合〜15:30トンネル西口〜16:10大川口


「 クサタチバナの行者還岳詣 」

 熊野から歩いて来た役の行者がこの絶壁を登れず引き返したという行者還岳に向かう。
 
 6月2日に入梅し雨続きだったがうまく晴れてくれた。先にトンネル西口に1台車をデポに行った。駐車場はほぼ満杯の20台以上が押しかけていた。もちろん皆の狙いはクサタチバナ。
大川口に戻りスタート。大川口の布引谷に架かる釣橋を渡るといきなり急登で40分ほど続く。

 壊れた木の階段や古いロープのある暗い道。新しい踏み後はないが目印のテープが続く。切り開かれた一角に出ると急に明るくなり一息入れる。谷を挟んで背後にバリゴヤの頭と稲村が、右に鉄山から弥山が飛び込んでくる。
 少し登ると山道が崩壊し大きく迂回し藪漕ぎ。これを過ぎるとしばらく緩やかな遮るもののない展望の道が続く。一旦緩やかなピークに達すると目前に右に傾いた行者還岳迫ってくる。
 緩やかなアップダウンから小坪谷の上を巻く山腹の道になる。岩稜場やガレ場の谷を次々に渡る。橋は朽ちて傾き足元は濡れていて滑り易いところ。滑れば深い谷底、ただ事ではすまない。個人のグループではよいが多人数ではお奨めできない。
ヤマツツジが咲く道
 こうした谷間を10箇所ほど通過し、最後の尾根に登り返すところとなって初めて緊張から開放された。
 奥駆道にでるとすぐに行者還岳小屋だった。避難小屋の内部を見学した。建築後5年ぐらいで新しく6畳ぐらいの部屋が1〜2階に3つあり、毛布が15枚ほどと、誰かが寝袋を広げて手すりにかけていた。台所の洗い場も蛇口を捻ると水が流れる。トイレも男女別々。20人位は楽に泊まれそうである。
 行者還岳には水場を通って、急な木の梯子を登り尾根に乗る。尾根の木立の間からは大普賢岳の4つのピークが垣間見られた。
 広い尾根にはバイケイソウやトリカブトが大きく成長していた。たくさんの清楚な花をつけたシロヤシオの古木の合間を通り、奥駆道から離れ西に5分ほど登ると1546mの行者還岳山頂だった。咲き残りのシャクナゲも歓迎してくれた。

 午前中の登りは危険な場所が多く緊張の連続で疲れたが、ここまで来ると回りのきれいな風景に元気を取り戻した。行者還岳山頂は大峰75靡の第58目の靡となっているが、現在は下の水場の下の大岩の裂け目に金剛蔵王の石碑が祭られている場所で、勧業の場となっている。
 崖のところからは真下に行者還岳小屋が見え、弥山、八経方面が展望できた。

 山頂付近はギンリョウソウが多く、ユキザサ、ミドリユキザサが見られた。ハスノハイチゴ、クロカンベは現地では解らず帰ってから調べた。30人ほどの団体さん(サンケイのツアーのようだ)が上って来た。服装からして、「土曜日休みで若い人が多いなあ」と談笑しながら下るが、すれ違ったら皆高齢者だった。「こんにちは〜、確かに昔は若かったかあ・・」とぶつぶつ。
クサタチバナの群生地までは緩やかなアップダウンが続く。
 林床の5cmほどのヒメザサの上にはブナやヒメシャラ、シロヤシオ等が繁りまるで公園だ。サラサドウダンも満開だ。
バイケイソウの群落に続いてクサタチバナの群生地。
 足元は石灰岩の石コロがゴロゴロし黄色のヒメレンゲが群生していた。クサタチバナは例年なら満開だろうがまだ2分咲きと言ったところ。午前中に行者還岳で合った人に開花情報を聞いたら、申し訳なさそうに「咲いているのがポツンポツンとある」程度だったが、気温も上り少しはマシだったかも。5日から1週間早かったように思う。まあそれでも見事な群生地に感激した。
 横になった木の幹に不思議な植物、たまたま居合わせた環境省自然観察員に聞いたらアオベンケイソウだった。ついでにステンレスの金網に囲った部分に何があるのか聞いたら、今は鹿の食害でクサタチバナやバイケイソウが生え他の野草はないがお花畑だったとか。数年すれば種が生えて復活するのを期待しょう。
 クサタチバナ目当ての登山者が多いので、早々に切り上げトンネル西口に向かう。素晴らしい自然のプロムナードが続き、絶景の風景の下でコーヒータイム。ゆったりとした贅沢な時間を過ごす。
素晴らしい散歩道。
鉄山の荒々しい山容が見える。
 いつものトンネル西口出合まで行かず、途中の「しなの木出合」というのかな、ここから一気に下る。30分足らずで楽々トンネル西口に達して1日の行程が終った。

 緊張の谷渡りとゆったりとした美しい森、きれいな花々に心が洗われた山登りだった。



他に今日見た植物
クルマムグラ ヒメレンゲ
○○スミレ きれいな色合いで美人、君の名は? ヤマシャクヤク 最後の一華 もう花ビラが散りそう
アズキナシ ハスノハイチゴ 珍しいな
クロウメモドキ科 クロカンバ これも珍しいな 
普通4片花 5片の撮って解明に苦労した
ヒロハユキザサ(別名 ミドリユキザサ)
サラサドウダン オオバメギ  前年枝、メギのような稜や溝がない。
マメグミ シャクナゲ
シロヤシオ



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