岩湧山


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15年3月2日(日) 曇り後晴れ 気温9℃

自然観察会「いわわきネイチャークラブ」に参加

メンバー:12名(内初参加 1名)

コース:いにしえの道→いわわきの道→行者の道

四季彩館に集合
 インターネットを見て初めて参加されたAさんを含め、参加者は12名。
それぞれ参加者名簿にサインし、会費、損害保険料を支払い名札を着ける。
簡単な自己紹介の後、リーダーのUさんより今日の予定の説明。
先月に引き続いてシダ植物のオシダ科の観察を行う。

 先生役のTさんから出発前のシダ植物の予備知識とし、簡単な説明がある。
「オシダ科を大別した4種は覚えて欲しい。」
ヤブソテツの仲間、ベニシダの仲間、カナワラビの仲間、イノデの仲間など。
シダ植物の理解は難解であるが、この4種に大別なら、初心者にも簡単に覚えられるだろう。

いにしえの道

 四季彩館からいにしえの道に下り、千手の滝、寺の横を通り林道へ
 最初はイノデ属のカタイノデ、黒褐色の鱗片にソーラスは小羽片の中肋と辺縁の中間につく。
続いてカナワラビ属のオニカナワラビ、葉は濃緑色の革質で先端が徐々に細くなり頂羽片はない。
 ベニシダはどこでも普通に見られ、褐色〜黒褐色の鱗片がつき春には包膜は赤くなる。
またベニシダは葉に光沢があるが、よく似たトウゴクシダには光沢がない。
 サイゴクイノデは葉に光沢がないがカタイノデは光沢はない。
カナワラビ属のハカタシダはオオカナワラビに似るが、葉の先端が急に細くなり頂羽片がある。
簡単に覚えられるのは最下側羽片が十文字に見えるジュウモンジシダ。
判別が難解なイノデ属の仲間。

 ヤブソテツ属では、葉に光沢が少なく包膜が灰色のヤブソテツ。
葉に光沢がありやや厚みのある、包膜が黒いオニヤブソテツは庭などによく植えられる。
ヤマヤブソテツは葉に光沢がなく幅は広い、包膜は灰色。
またオニヤブソテツの一種のナガバヤブソテツは、葉は濃緑色で光沢がありやや厚みのある革質で包膜は黒い。

いわわきの道

 いわわきの道から展望台へ
 クマワラビ属。羽片先が鈍頭で鱗片が黒いのはオクマワラビ、羽片先が鋭頭で鱗片が赤いクマワラビ、
それとオクマワラビとクマワラビの両方の性質が見られるのは アイノコクマワラビ。

展望台の水場ではヤマノコノメソウとタチネコノメソウが咲き始めた。
先生役Tさんがホソバヤマヤブソテツを見つけた。

展望台で11時30分になり昼食。
 昼食がほぼ済んだころ、いのしし狩りの大型猟犬が2頭現れた。
よほど腹が減ったのか食べ残し弁当めがけて突進してくるので、首輪を持ち押さえつける。
首輪には発信機がつけられ、所有者の名前が入っているが一向に所有者が現れない。
後で四季彩館で聞いたが山頂でも現れて、昼飯が食べられなかったと聞く。
飼い犬の管理を十分やって貰いたいものだ。

行者の道

 行者の道からいにしえの道へ
 展望台から道を下る。春になるときれいになるキヨスミヒメワラビは珍種のようだ。
谷川の中でフキノトウが3、4本芽生えていた。急な下り道の脇でアセビが咲き始めた。
 オオクジャクシダはクジャクシダとは似つかなず、キジノオシダに似る。
鱗片が赤褐色、葉は緑色の硬紙質の単羽状複生で10〜20対の羽片がつく。

いにしえの道

 いにしえの道から四季彩館へ  アイアスカイノデ、マルバベニシダ、オオイタチシダ等を観察する

四季彩館でミーティング

13時30分ごろ四季彩館へ
テラスの机の上で今日集めた標本を同定

 先生役のTさんから今朝の説明のあった4つの仲間(ヤブソテツの仲間、ベニシダの仲間、カナワラビの仲間、イノデの仲間) に標本を別け説明頂く。
 その内特に難解なイノデの仲間については、基本的な6種を覚え、ついで6種の雑種4種を覚えると良いとのこと。
まず6種を葉の光沢のあるもの4種と、ないもの2種に分けることから始め、次いで鱗片の色、形、次にソーラスの位置に分類する。


葉の光沢 鱗片色 鱗片形 ソーラスの位置 シダ名
あり 淡褐色 披針形〜卵状披針形 辺縁 イノデモドキ
披針形〜広披針形 中間 カタイノデ
狭披針形〜広披針形 中間 イノデ
狭披針形 辺縁 アイアスカイノデ
なし 長卵形 中間 ツヤナシイノデ
卵状披針形〜披針形 辺縁 サイゴクイノデ

カタイノデ×ツヤナシイノデ アカメイノデ
サイゴクイノデ×アイアスカイノデ ハコネイノデ
カタイノデ×サイゴクイノデ ミツイシイノデ
カタイノデ×イノデモドキ カタイノデモドキ
カタイノデ×アイアスカイノデ アイカタイノデ



 普通の山なら2、3種がせいぜいで覚えることも簡単だが、岩湧山はシダ植物が多い上、雑種が多いため難解のようです。

ついでミーティング クラブの来期の方針が打ち合わされた。



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