岩湧山


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13年12月2日(日)くもり 気温13℃

自然観察会「いわわきネイチャークラブ」に参加

コース:四季彩館→いにしえの道→いわわきの道→ダイトレ(巻き道)→山頂→急坂の道→四季彩館

四季彩館に集合

今日の参加者は6名。初参加者はAさんが案内して来たNさん。というよりは大阪府農林技術センターの元所長さんで自然観察の先生をお迎えしたのです。
他にAB夫妻とUさんと私の計6名で、花がなくなり参加者も減りました。

いにしえの道

岩湧寺下のウバユリを見て「1回花が咲き竹が枯れるのと同じく、ウバユリも1回花が咲き枯れる」とN先生。それであんなにたくさんの種子をつけるのだろうか。
シャクナゲの自生地はここだけ」、「ミズメノ木の皮はサロンパスの臭いがする」と次々説明してくれます。
カゴの木やトチの木を観察。木肌や落ち葉を見て木の名前を当てます。

いわわきの道

埋土種子の話。N先生、荒地のカラスザンショウを指差し、山が荒れて光が入り込むと30〜40年間眠っていた種子が発芽するという。タラノキ等もそのようです。オオガハスは埋土種子とし特に有名です。

木製の階段を過ぎて葛城祠を祭る滝上の台地に登る。 ここは千手滝の上方と思われました。

キッコウハグマの咲き終わった小群落を確認。

N先生、ソヨゴとクロソヨゴを見つけて対比しながら説明。

上はクロソヨゴ

下はソヨゴ


この付近では常緑樹がたくさん繁りカシ、ツガ、モミの木等が見られました。
カシの木の仲間は6種あるそうですがアカガシ、ウラジロガシ、シラカシ、ツクバネガシの4種を確認しました。

 
上 アカガシ 下 ウラジロガシ   上 ツクバネガシ 下 シラカシ


擬対生の話。葉が対生と互生が交互に付くという、ヤブニッケイを例にN先生の説明。コクサギ型でケンポナシの葉の付き方も同じという。

モミの木ととツガの木の違い。木肌がすらっとしているのがモミの木。葉っぱの比較では葉の先が2つに割れているのがツガの木。

イイギリが葉を残しながら赤く色づきだした。別名ナンテンギリとも言います。野鳥は色彩感覚が強くすぐにこの赤い実を見つけます。

ツルウメモドキもそろそろ黄色の皮が取れだし、赤い実が見え出した。クリスマスの頃真っ赤に色づくでしょうか。高木に巻きついており双眼鏡で観察します。

付近に見られるアブラチャンの新芽はよく生花に使われるようです。
展望台のサワグルミの大木は5本ありますが大阪では少ないようです。北国に多く大木になります。

ネズミモチが黒い実をつけていました。
コウヤボウキの花は1年芽に咲きます。ヤマコウバシは香りがよく葉っぱを粉にしソバ打ちの繋ぎに使います。
ナベナの枯れた花柄で毛布等の起毛に使われた。

付近でつる性のクマヤナギを見つけた先生。 この木の幹は非常に強くカンジキとか馬の鞭を作ったという。


ケンポナシの実、渋みがとれて美味しくなりました。
いわわきの道の標識が倒されました。根もとの基礎の木部が腐りモロクなっていました。

ヘクソカズラは別名サオトメカズラ、ヤイトバナとも言います。
平成10年9月の7号台風により倒木で荒れたこの付近は明るくなり荒地となりました。この荒地には埋土種子のタラの木がたくさん芽生え、タラの木のポイントとなりました。

シダ類ではシシガシラ、クマワラビ、クジャクシダの説明を受けました。

高野豆腐を作った跡に来ました。昔は紀州の人が作りに来たこと、原料の豆を南海高野線の貨物で駅まで運び、更にこの地まで馬に乗せて運んだことを教わりました。
アケビのツルは左まきですカナクギの落ち葉の写真を撮っているとコゲラのギッ−と鳴き声。

ダイトレ巻き道

巻き道に進んで、いつもなにだろうかと話していた草はトウゲシバと教わりました。


日当りの良い山道のツゲの木に黒い実が付いていましたが、黒い実は珍しいそうです。ここで1時30分頃、遅い昼飯となりました。

2時20分ごろ出発。杉の植林地に大型のアオゲラらしき野鳥が見られました。

山頂

標識にまた同じ筆跡の落書きがありました。
山頂付近には草花はなにも見られなかったが、無数のススキの花穂が風に乗って飛立って行きました。


急坂の道を下る

ほとんど落葉して山林が明るくなりました。
ハリギリの板を洗濯板に使ったそうです。またアオダモは野球のバットに使うのでバットの木とも言われます。

今日のN先生をお招きした大きな目的はブナの木の確認のためです。今年4月Aさんが見つけたブナ。 先生の鑑定でも間違いなくブナでした。発見者の浅原さんに敬意を表します。

標高800mより上に生育されるというこのブナの木は4本確認できましたイヌブナも付近に見られました。双方の違いは木肌、葉、ひこばえ等に表れます。特にひこばえは勢いの差が歴然で、元気なイヌブナは木の根元にたくさんのひこばえが見られますが、ブナにはほとんど見られません。

左 イヌブナ

右 ブナ

ウラジロの木の黄色い実を試食しました。ガンピは別名カミノキとも言われ、樹皮は桜の幹に似ています。また樹皮は雁皮紙の原料にし、岐阜県は山地として有名です。
林道のカーブのところに植栽されたマテバシイが見られます。

四季彩館でミーティング

今日1日、N先生の説明を聞き自然観察の奥深さや、おもしろさを再確認しました。本当に有難うございました。今後の観察会の仕方のヒントを得たように思います。
時間も5時近くになりましたので、今日の作業(種子入りの粘土玉を作る)は来月に延期しました。

今日の説明を記録したものであり、聞き違い等あるかも知れません。誤った内容が見つかったときはご指摘下さい。

(西原記)




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