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新大阪22時発の夜行バス「さわやか信州号」は沢渡で乗り換えて5時30分に着いたがバスの名前には似合わなくほとんど寝られなかった。大阪方面から上高地に直接来られる便利なバスであるが慣れないと寝られない。睡眠不足のままのスタートになった。
空はどんよりとした曇り空でガスもかかって素晴らしい上高地からの眺望は見られない。それでも多数の登山者がバスターミナルで食料や水を補給しそれぞれの目的地に向かう。あずさ川にかかる河童橋で写真を撮るいつもの光景が見られた。 |
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小梨平のキャンプ場を抜けあずさ川沿いの道を遡ると40分ほどで明神だ。 |
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大量の土砂が堆積した白沢出合で槍穂高方面に行く道と別れて徳本峠に向かう。背後には明神岳が朝日に照らされて霧の中に浮かぶ。
白沢出合からは誰も着いて来ない。林道を咲き始めたジャコウソウやタマガワホトトギスを愛でながらゆっくり歩む。徳本峠小屋かららしい単独登山者に2人会う。
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道は次第にきつくなりジグザグ道になる。最後の水場と書かれたところで冷たい水を飲んで水を1L補給。小屋では1L200円で販売しているが。
前穂高岳がガスに包まれて見えない。 |
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峠に建つ徳本峠小屋に着く。
大正時代に建てられたなかなか年代物の小屋だ。ランプの小屋として人気があるというが奥の小屋が建て替えられて一周年という。一周年記念のコンサートを7月に一回開き今月29日にも開催するという。 峠からはガスで展望が得られなかった。
峠の側にはテントが4〜5個貼られていた。峠のすぐ反対側には薮道が下っている。島々に向かう古道だろう。かってはウエストンや高村光太郎・千恵子夫妻、芥川龍之介、上高地牧場に移動する牛馬が歩いた。この古道を見ると感慨深いものがある。
着替えなどの荷物を預けて霞沢岳に向かう。
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峠から少し登って下ると白沢出合からの道に合流した。
前日の雨で泥々の水たまりが多く、木の根っこの多い悪路で次第に傾斜がきつくなる。緩やかな傾斜の明るくなったところの割れた板切れをつなぐとジャクションピークと書かれていた。
島々方面が開けたところで、ガスがかかりどれが霞沢岳か分らない。 |
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泥沼の緩やかな長い下りが続く。とにかく滑ってズボンを汚さないように気をつけた。
テント泊の人らしい4〜5人が上がってきた。もう霞沢岳から引き返して来たのだろう。
最低鞍部には大きな水たまりがあった。
K1ピークの手前の石ころの急登。
ロープが貼られていたが傾斜がきつく大変な難所だった。
這づり回りながら登った。このコース最大の難所だろう。
最近、大峰に連続2回登山、バイト先のマンションの4棟の14階の階段を一気に歩いて登り、一日最低3回の巡回をこなして夏山に備えたがまだ不十分だったのか。 |
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K1ピークからの展望
K1ピークの指導標がなく最初は分からなかった。武やんのK1に間違いないという言葉を信じたが周囲を歩いて見てそうだった。
穂高方面の展望が素晴らしいところだが残念ながらガスで見えない。
下方に上高地のホテルの赤い屋根が見えたが一瞬だった。
雨がポツリポツリ落ち出した。急いで昼飯を食べてカッパを着けた。 |
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K2ピーク
ここも指導標がなかった。
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一旦下って細い尾根を行くとお花畑があり、ハクサンフウロやハクサンチドリ、クルマユリ、コイワカガミ、ニッコウキスゲが咲き乱れていた。
お花畑を抜けるとあっけなく霞沢岳だ。200名山霞沢岳標高2645m。
地図ではK1から25分の表示だが42分もかかった。
ここも穂高や焼岳の素晴らしい眺めはガスの中だったので登頂の感激も薄く、集合写真を撮るのを忘れてしまった。
上高地に近いが槍穂高の華々しさの影に隠れる不遇の山。徳本峠に来ても見逃してしまう山、霞沢岳は渋く輝いていた。 |
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帰りは元来た道を引き返した。小雨が振る泥道を重い足を引きずり長い道だった。
帰り着くと本格的に雨が降り出した。眠れぬ夜行バス明けの11時間の歩行はきつかった。
汗と雨でびしょ濡れを着替えると寒さから開放された。
ビールロング缶800円で購入して乾杯をした。
今日の泊まりは13人だった。
明日9時頃から霞沢岳を往復出来るかとの滋賀からきた夫婦の問いにきついところであり大変なところだと驚かせておいた。
小屋のご主人と雑談した。
今年の山の天候はおかしい。朝方晴れるが9時頃からガスで眺望がなくなり、午後から雨か雷雨になるパターンの繰り返しだそうだ。明日も恐らくそうなるだろうと。
ウエストン祭の時には島々から上高地に向い600人がこの徳本峠を通過するそうだ。泊まり客も少しありそうだがなにしろ定員30名。
秋山の頃割合人が多いそうだ。なぜか私の住まいの河内長野市のことをよくご存知だった。サイクルスポーツセンターとか岩湧山。
今日の累積標高は1880mだった。
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第2日目常念岳へ |
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