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南河内  岩湧山

sanpo.no.931  22年12月18日(木) 晴れ    
滝畑8:15〜10:27岩湧山10:35〜急坂の道〜11:13四季彩館11:51〜いわわきの道〜12:40五つ辻〜12:53南葛城山分岐〜13:06根古峰〜13:17三合目〜13:53ボ谷池〜14:38紀見峠〜15:15紀見峠駅


  滝畑ダム最奥部の岩湧山登山口まで妻に車で送って貰った。紀見峠まで縦走するためである。登山口から細い道を登り始めた。程なくヤマゲン先生から教わったコバノチョウセンエノキが見つかった。高さ1.5mほどの小さな木で、道端にあるから大きくなると切られ、また芽吹いて大きくなっている。日本と朝鮮半島が陸続きだったことを証明する木と言われている。また、ここを登る時もう一つ気になる木があるが(古い調査資料にある) 見つかっていない。イズセンリョウとともに生育するルリミノキである。この時期瑠璃色のきれいな実をつける木だ。林道を横切って最初のベンチに着く頃は汗だくで1枚脱ぐ。水場を過ぎると道は平坦になる。カキザコで尾根の反対側に出る。

 葉をすっかり落とした明るい林の長い坂道を登る。足元は落ち葉が敷き詰められて、落ち葉の小道といったところだ。長い坂道を登りきると雰囲気のよい自然林の山道となり、私の最も好きな場所である。春にはブルーのハルリンドウが咲き、秋にはクガイソウに似た青いカワミドリが咲く。


 道は山腹を巻き、千石谷の向こうには南葛城山が対峙する。千石谷からこの南葛城山へ登るルートが幾つもある。クレン谷、サカモギ谷、醤油谷、森ノ谷の谷ルート。ノゾキ平への関電道、クレン谷西尾根、サカモギ谷西尾根、大滝からの南葛城北尾根、若衆山の尾根ルートがあるが、ここからはそのルートの尾根、谷が一望出来る。ただし、関電道、大滝道を除いて途中には滝、崖があり薮山で一般的ではない。 特にこの中で醤油谷から分かれて登る若衆山の尾根ルートは、2mを超える熊笹をかき分けて登るのが面白くもあり、不安であもある。一人が滝畑へ下るのに会った。

 水場のところでミヤコアオイかと思い落葉を掻き分けて見たら、今頃花を咲き始めたイズミカンアオイだった。槇尾山の特産種だがここで見つかって嬉しい。 少しの間急登になり登りきると、暗い植林の道だ。樹木の間から岩湧山のカヤ原が垣間見できる場所を通る。



 植林の中の500段ほどの階段を過ぎると尾根になり、関電鉄塔75の下を通過する。ここからはネバシ谷から横谷に抜けるルートが通じている。また、滝畑ダム滝尻の権現山から尾根を伝って来る道で、岩湧山まで4時間半かかる面白いルートがあり、ここを通過する。もう1年ほど歩いていないから一部薮に覆われているかも。反対側の北方面の展望が開けPLの塔が見え始める。暗い林を抜けると感じのよい自然林が続く。

再び暗い林を抜けると岩湧山の明るいカヤ原が飛び込んで来る。

 苦しい階段を登って行くと背後の眺めがよくなる。槇尾山の向こうに関西空港や淡路島、大阪湾等・・・・苦しい登りを休めて展望を楽しもう。花の終わったカヤ原から小鳥が飛び立つ。ベンチのあたりも好きな場所だ。早春にはサイゴクキツネヤナギが咲き、続いて赤いレンゲツツジが咲き青いススキの中に点在する様はなんとも美しい。7月下旬には鮮やかな紫のキキョウが咲き乱れる。索道跡は岩湧山の絶好の展望台だ。足元が危ないが写真の一番のポイントである。索道はカヤを運ぶために設けられたが、山頂まで林道が開通して廃止された。

 山頂の手前で金剛山から来たという40才ぐらいの人に出会った。これから槇尾山まで行くという。恐ろしく長距離の行程にあ然とした。朝の4時に金剛山をでたというから6時間余りで来た勘定だ。私なら10時間は要しただろう。

 山頂には薄らと雪が残っていた。3人連れにあった。ススキも風になびき寒々としていたが、サイゴクキツネヤナギやレンゲツツジが来春に備え、赤い茎に芽を含まらせていた。


 急坂の道を下った。登山道の補修を森林組合の指導の元に何人かがやったいた。大阪府の雇用対策の一環としているという話だった。途中、6名の学生の登山者が60Lぐらいの大きさの重そうなリックを担いで登ってきた。どうやら登山訓練しているようだ。

  四季彩館では暖かい薪ストーブのそばに2.3人がいた。一人が尺八を吹き始めたが短く何回も繰り返していた。そういえば若い時の山友が尺八の師匠の免許皆伝と聞いたがどうしているだろうか。信州アルプスに三等寝台車ちくま号でよく出かけたが・・・。床に新聞を敷いて寝転ぶ。夜行で行き、日曜日に夜行で帰り出勤する。みんな山好きはそうだったなあ。  四季彩館に和歌山で貰ったミカンを差し入れし、少し昼には早い弁当を食って、いわわきの道から登り始めた。

 夫婦が降りて来るのに出会った。若者が凄い勢いで追い抜いて行った。リックも持たずスニーカーを履いていた。ダイトレにでて紀見峠方面に向かった。岩湧山三合目から紀見峠駅には向かわず、紀見峠に向かった。急激な下りが続くが、登りは大変なところだ。明るい鉄塔下で休みミカンを食べた。眺望もよく日がよく当たるので、いつもここで休憩することにしている。


 砥石谷分岐を過ぎると紀見峠駅分岐、葛城28宿遥拝所が見えてくる。下りから登りになり又下るとボ谷池に着く。ベンチがあるから休憩するとよい。再び登り坂から下りになりボ谷林道分岐になる。分岐手前にはあやしげなバラック建が見えてくるが、トマトの栽培をしているところである。ここから長い登りになる。4人の家族連れに会い三合目までどのくらいの時間がかかると聞かれたので、1時間30分と答えた。1時間そこそこで行くだろうが、足元を見るとそう思えた。また、金剛山から重い荷物を担いで来た学生3人に合った。この時間なら岩湧山でテント泊するつもりだろうか。





  ピークにある紅白の鉄塔184の真下に行き写真を撮った。ここからは10分ほどで紀見峠だ。旧国道371号線の大阪と和歌山の境界である。高野山参詣の面影を残すところだ。紀見峠宿場跡には高野山まで6里の丁石と数学者岡潔の記念碑があり、江戸時代風の丹波屋という茶店がある。

 ここからゴールの紀見峠駅までは30分あまりだった。






 


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