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山   名   嵯峨谷ノ峰(南葛城山) 922m
    20年1月10日(木) 晴 気温13℃ メンバー8
コースタイム 滝畑出合橋8:45〜林間歩道〜9:30千石谷林道〜10:08醤油谷〜10:51若衆山〜若衆尾根〜11:35嵯峨谷ノ峰・三角点13:00〜蔵王堂方面〜野谷分岐〜13:50サカモギ谷西尾根〜14:47千石林道〜15:30滝畑出合橋







「藪漕ぎのルートを行く、嵯峨谷ノ峰」

久しぶりに参加のミコやんの希望?で、ナタ、ノコギリ、カマを持参の藪漕ぎ山行。それもメンバーの誰も歩いたことのない若衆尾根から嵯峨谷ノ峰を目指した。







先ずは蔵王谷と千石谷の合流点の滝畑出合橋からスタート。今は誰も通らなくなった林間歩道を行く。崖沿いに付けられた古い道は荒れ放題。倒木や崖崩れで緊張する。最も危険なところはトラロープが付けられ、危険箇所を巻いていた。一旦関電道と合流し鉄橋を渡る。
上には千石林道が走っているが、谷に向かい渡渉し沢を遡行し地図に記された40m滝を見に行く。水量が少なく迫力がない。
千石谷林道に出て醤油谷から嵯峨谷ノ峰に向かう。今日は醤油谷に入り、直ぐに若衆尾根に取り付く。この付近一帯は平成10年台風で全滅した植林を当時のノック大阪府知事が視察にきたところだ。現在は新たに植林されてずっと下草刈りが行われてきたが、昨年から中止されて今は藪山となっている。植林が大きくなったためだ。下草刈りの結果コシオガマやオオキツネノカミソリの大群落が突然出現したが、残念ながら去年からは見られなくなった。

なお、千石谷両側の相互山林(296ha)が河内長野市の所有となり、市は滝畑ダムの水源涵養保安林として落葉樹に植え替え管理する方針です。(02.06.28)
が、今では植林されたままです。いつになったら市民の憩える森となるのでしょうか。

進路にはイバラや小さな潅木、ワラビが多い。最初は山道らしき跡があったが次第に分かり難くなり、左の古い植林帯と右の新たな植林帯の間の急登で、足元はズルズル滑る。登ってきた背後を見ると、千石林道がくねくねと伸び、岩湧山の稜線が浮かび上がってくる。ひこやんと時やんが先行し道を切り開いてくれる。小高い若衆山742mピークまで2回小休息を入れた。
若衆山742m、ここは30年前の古い地図に載っているとピークとクライマーのY師匠から教わる。
若衆山からは緩やかな登りとなって古い植林帯で、次第にクマザサが現れてくる。古いテープが続くがクマザサに覆われ消えてしまう。
こんなところを単独で歩いたならどんな気持ちだろうか。初めてなら恐らく不安な気持ちになるだろう。他のことを考える余裕もなくクマザサと向き合っていることだろう。そしてここを突破したならパッと明るい気持ちになり充実感も大きいだろう。グループ山行ならこんな体験は得られないが、・・・最近藪漕ぎが多くつい惹かれてまう。

写真 後ろの人も隠れてまう。
 

日ざしの少ないところになるとクマザサも短くなり 嵯峨谷ノ峰らしくすばらしい森となる。ミコやんも「こんなジャングル好きなんやねん」とニコニコ顔。聞くところによるとご主人が病気で最近山から遠ざかっている。少しの気分転換になったかと思う。

写真 前の人も隠れてまう。
クマザサの刈られた十字路になり、杉の木にはテープがある。刈られたクマザサに従い真っ直ぐに進むが、すぐに背丈以上のクマザサのジャングルになる。雪の重みで倒されているところは踏みつけて進むが、ほとんどは足元に倒木の多いクマザサジャングル。後で師匠に聞くとここは右の道に従うのが正解。
方向感覚のよいワダちゃんがクマザサの彼方に赤い目標物を発見。 前方に見え覚えのある赤い屋根の社が見えてきた。一本杉だ。阿弥陀山からのルートと大滝からの直登ルートの中間あたりに躍り出た。間もなく嵯峨谷ノ峰山頂に着いた。K師匠と落ち合う約束の時間より1時間も速い。
この前見つけた三角点に向かう。西南に10分ほど下る古い道沿いに建っている四等三角点前でバンダナショット。囲炉裏未加入者に「いつ入ってくれるねん」と私。
武やんが手馴れた手つきで回り1坪ほどのクマザサを刈ってくれる。この三角点のある山の所有者は私の知り合いの方だ。10年ほど前、この付近の三角点を調べていたらふと見つけたものだ。
 山頂に戻ってもK師匠は到着していない。山頂広場は植林の影で寒い。陽射しの差し込む下に移動するが、10分ほどで影になりまた移動を繰り返し待つ。時やんがアーリータイムズを1本空けて上機嫌。こまねずみさんがビーフジャーキーを差し入れてくれ、アーリータイムズを回して飲む。このウイスキーは瓶がプラスチック製で軽くてよい。ローソンで売ってあり私も仲間も常備している。食事もほぼ終え、今日は温かくなったので師匠は岩登りかなと言い合っていたら、ひょっこりとおでまし。アーリータイムズや ビーフジャーキー等を差し入れてしばらく歓談。師匠は我々とは逆のコースをとり同じ道を行くと言う。どうもお一人で歩くのが好きらしい。こんなこと言って失礼だが72歳になって静かな山歩きを楽しみたいのであろうか。嵯峨谷ノ峰は異国の山に来たような独特の雰囲気をかもし出す。クマザサと真っ直ぐに伸びた杉の木の美しい林は見事に調和し、落ち着いた森となり私達の心を癒してくれる。 単独ならこの森の霊気に触れて見ることができるだろう。
 師匠と別れて師匠の来た道を辿り、サカモギ谷西尾根を下る。クレン谷とサカモギ谷に挟まれたこの狭い尾根は両側に深い崖となって落ち込んでいた。その上急激な下りで杉の木や潅木を掴みながら一直線に下る。最後に二股に尾根は別れ、右に行くとサカモギ谷の取り付き近く、左に行くとクレン谷の取り付き近くに向かう。今日は前回とは反対に左に取りクレン谷取り付きに向かう。こちらの方がより急激で、下に見え始めた林道に、さながら石ころが下落するように転がり着く。

 今日のコースはイバラの藪、クマザサのジャングル、痩せ尾根の急落と、とても変化に富み野趣溢れるコースでした。次はクレン谷西尾根からのぞき平、醤油谷。あるいは超峻険なサカモギ谷ソノ谷 コース。こちらは師匠から少人数で、ザイル、ハーネス持参。サカモギ谷、ソノ谷は経験者同行と注意されている。等々宿題は尽きないのである。


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