岩湧山

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sanpo.no.311
17年3月27日(日)晴れ 気温12℃
第2駐車場→急坂の道→山頂→滝畑→カキザコ→千石谷→五つ辻→いわわきの道→行者の道→第2駐車場
参加者:3名

 日当たりの良い山頂から滝畑にかけた尾根筋と千石谷に早春の花を求めた。行司河原分岐で咲き始めたフサザクラを見学し春の到来を実感しつつ、この変わった桜の花をカメラに収めた。以前教えてもらったウスゲクロモジの花を見に寄るが蕾。葉芽、花芽とも毛がまばらで葉脈が葉の裏面で著しく突出するという特徴を頭に叩き込んできたが、まだ葉が展開前でクロモジの種類は判定できない。林道脇にはアブラチャンらしき黄色の細かい花が枝一面に散らばっていた。


フサザクラ 房桜 フサザクラ科 クロモジ雌花 黒文字 クスノキ科



 第2駐車場で2人と合流しまずはシロバナショウジョウバカマにご挨拶。斜面の岩場では10個ぐらいの白花が恥ずかしげに顔を下向き加減にし、ちょうど満開で笑顔いっぱいで迎えてくれた。足元にはミヤマカンスゲやカンスゲが開花していたがこちらはあまり人気はない。
半日陰のコショウノキも満開。白花のジンチョウゲと思うばかりに似ているが、こちらは花数がまばらで萼筒の外面に毛がある。


シロバナショウジョウバカマ 白花猩猩袴 ユリ科 コショウノキ 胡椒の木 ジンチョウゲ科

 喘ぎながら急坂の道を登ったイヌガシのポイント、赤い蕾や僅かに硬い花弁が開き赤い花糸が見えた。他にここでは花芽が細長いヒメクロモジらしき株もあり、大きく蕾が膨らんで間もなく開花しそうだ。


イヌガシ  犬樫 別名:マツラニッケイ クスノキ科


 山菜として人気のタラの芽はまだ硬いが、ニワトコの新芽が伸びて美味しそうだ。予定されていた山頂の山焼きが4月3日に延期されたそうだが、無風で乾燥した今日すべきだった。先になれば去年と同じく間もなく生えてくる野草には打撃となろう。山頂外周のウワミズザクラの新芽はまだ寒さでピクリともしない。

 山頂を下り滝畑方面の尾根筋は日当たりもよく樹木花のポイント。アブラチャン、ダンコウバイ、ヒサカキ、ウグイスカグラが咲き始めた。ウグイスカグラの種類の特徴を調べたがヤマウグイスカグラやミヤマウグイスカグラは見つからず。以前雑木の林だった所が、2mぐらいのヒノキの植林帯になった。陽だまりにはタチツボスミレが早くも群生し25個ぐらい花をつけていた。間もなくフデリンドウの群落も見られるポイントでもある。ここからの眺めはよく南葛城山や千石谷は一望できる。10年もすればここの植林が大きくなり、草花もない薄暗い山となるだろうことを考えると憂鬱になる。


ダンコウバイ雌花  檀香梅   クスノキ科 ダンコウバイ雄花  檀香梅   クスノキ科
アブラチャン雌花   油瀝青  クスノキ科 アブラチャン雄花   油瀝青  クスノキ科
ヒサカキ     ツバキ科 ウグイスカグラ  鶯神楽    スイカズラ科



 千石谷は岩湧山の南面にあり、日当たりがよく、谷のあちこちに岩肌からあふれでる水が豊富で草花の種類も多い。また開花時期も北面に比べ1〜2週間も早い。色が白っぽくて目立たないがスミレの中ではトップバッターのアオイスミレがあちこちに咲き始めた。またアブラナ科のスズシロソウの白い花がが道案内のように続く。まもなくじゅうたんのように一面に広がるだろう。なお、もしかしたらカワチスズシロソウという特産種が混じっているかも知れないが書籍にも載っていず、判定する資料がない。匐枝を出さないのが特徴のようだが。一つ一つ根元を掘り返す訳にもいかないし。


スズシロソウ  蘿蔔草   アブラナ科 ユキワリイチゲ  雪割一華    キンポウゲ科



 千石谷の河内長野市有林300haは2年ほど前に民間から買い上げた山である。この市有林300haの一部でスギやヒノキの植林(5年苗ぐらい)を年に2回ほど草刈などの世話をしているが、スギやヒノキが大きくならない内にブナやケヤキ等に植え替えできないものだろうか。買い上げた目的が自然環境を維持するはずが、こんなことは民有地でやっていることで、市がするのがおかしいと思うが。 ・・・




 ヤマネコンメソウ、タチネコノメソウ、シロバナネコノメソウも満開で今年はタイミングよく訪れることが出来たようだ。白い花びらに可憐な赤い花糸が太陽に輝き、群落も広がりを見せていた。



ヤマネコノメソウ  山猫の目草   ユキノシタ科 タチネコノメソウ 立猫の目草 ユキノシタ科
シロバナネコノメソウ 白花猫の目草 ユキノシタ科 コガネネコノメソウ 黄金猫の目草 ユキノシタ科




 陽だまりに目を凝らして見ると、ジロボウエンゴサクの小さな花が薄ピンク色の花をつけていた。またヤマルリソウもやっと一輪、開花したのを見つけた。キブシやミヤマキケマンの開花も確認。五つ辻の近くで、なぜか薄ピンク色のアオイスミレが毎年咲くが、今年もあった。


ジロボウエンゴサク  次郎坊延胡索 ケシ科 ミヤマキケマン  深山黄華鬘   ケシ科
アオイスミレ  葵菫  スミレ科 ツノハシバミ  角棒    カバノキ科



 いわわきの道から行者の道へ。ツノハシバミの雌花の赤い花は雄花を下に従い、女王様のように輝く。水辺のネコノメソウのポイントではコガネネコノメソウ、タチネコノメソウ、ヤマネコノメソウ、が開花した。ヨゴレネコノメとニッコウネコノメソウとイワボタンは夕暮れのためか時期尚早のためか十分に開花していず判定できなかった。また宿題が増えました。



イワボタン  岩牡丹   ユキノシタ科 ニッコウネコノメソウ?日光猫の目草 ユキノシ科




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