岩湧山


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sanpo.no.232

15年12月7日(日) 曇り 気温6℃

自然観察会「いわわきネイチャークラブ」に参加

参加者  7名(内初参加0名)

コース:四季彩館→いわわきの道→ダイトレ→岩湧山→急坂の道→四季彩館

四季彩館に集合

 朝から木枯らしが吹き、四季彩館前の百葉箱(古く「ひゃくようそう」と敢えて呼びたい。昔そう教えられたと思う。)の温度計は昨日より10℃も低い6℃で、急に寒くなった。
その寒さのせいか、花のシーズンが終了したせいか観察会への出足が悪く定刻に集合したのは常連の6名だけ。
今日のメンバーは花の観察というよりは、日頃の雑踏から逃れ自然との触れ合いを楽しむ為に集まった連中と言えるだろう。あるいは奥さんから今日一日追い出されたのかもしれないが・・・。
男性ばかりで殺風景だなあと思っていたら、少し遅れて紅一点のD婦人が3カ月ぶりに参加された。

 珍しく新人はいないので、名札や自己紹介を省略する。いつものようにリーダーのUさんから今日の観察会の予定の説明。
花がなくなったので草木の実、落葉の観察をする予定。観察から帰ってからはミーティングと今月からUさんの発案で「植物形態学」の勉強をする。

落葉ではカエデ科カエデ属の9種の説明があり、また紅葉のメカニズムについて詳しい説明があった。少なくとも自然観察会のメンバーは紅葉のメカニズムは覚えておこう。

 また飛び入りで私が榛原町の戒長寺でもらった「お葉つきイチョウ」の標本を見せ説明させて頂いた。 シダ植物と種子植物の中間性を帯びる貴重な資料であり、この話をお寺の住職から聞いて非常に驚いたものである。本で読むよりは実際にこの目で確かめて、一層強烈な印象として残っている。

観察会
 野草園のそばのイロハモミジは、日のあたる箇所は色素のアントシアンが合成されてあざやかに朱色に染まり、日陰の箇所は緑色のままで、その朱と緑のコントラストが映える。



またクロロフイルが壊されて、カロチノイドが目立ち、黄色に紅葉したタカノツメの葉があたりを飾る。

 

カラタチバナの赤い実を見に行く。万両、千両に対し、百両と呼ばれるこの赤い実に一層親しみが湧く。ついでに十両はヤブコウジ、一両はアリドウシといわれる。
 長い間同一のものとしていた、フユイチゴとミヤマフユイチゴがこの岩湧山にあり、リーダーのUさんが両方を見つけて詳しく説明。 フユイチゴの茎には短褐色の毛が密生するがミヤマフユイチゴは殆どない。またフユイチゴの葉先は丸いが、ミヤマフユイチゴは葉先が尖る等の特徴がある。
言うまでもなくフユイチゴの実を試食したが種だらけ。

最初の木階段付近ではイロハモミジ、コハウチワカエデ、エンコウカエデの落葉が目立つ。
 2番目の水場付近ではカマツカの赤い実と、ツルウメモドキの黄色と赤の実を見る。カマツカの呼び名は昔、木の材を鎌の柄に使用したためとMさん。ツルウメモドキは深い谷間の杉の木に絡みつき、双眼鏡でないと実の粒は見えない。
 展望台からは、紅葉に染まったコナラ林の向こうに、河内長野市や富田林市がはっきりと見渡せる。D婦人は体力の都合でここより引き返す。
 アルミ合金の橋付近ではノイバラ、スイカズラ、ヤブムラサキの実を確認。 ツノハシバミの雄花序が来春の開花に備えて伸びだした。

 

崖の向こうでケケンポナシの実を拾い、太くなった花柄を試食した。柿の味がするという人もいるが、私には薄い黒砂糖のような味に思えた。
 最後の水場では、バラ科のダイコンソウ 大根草 とアブラナ科の オオバタネツケバナ 大葉種付花 が咲いていた。花シーズン終わりの花と言えようか。

ダイトレ巻き道でツルリンドウ、カマツカ、サルトリイバラ、ウメモドキ、タンナサワフタギ、ヒヨドリジョウゴ等の実を観察した。12時になり予定通り昼食となった。この場所は杉の木立の合間の日当たりのよい場所だったが、地球が移動したのか日陰となっていた。


 
山頂のススキは綿毛が飛び一層きれいだ。花のない山頂だがススキは当分楽しめると思う。10mほどの強風にあおられた体は温度計のさす4℃よりはるかに低く感じる。そのせいか上空の埃や塵がなくなり、空気が澄んで遠くまで見渡せた。関西空港や淡路島、大阪市内や神戸市、六甲の山並みなど。 Mさんが梅干の種の干した菓子を配ってくれた。ほどよい酸っぱさとほどよい塩加減に気分も爽快になった。 ハバヤマボクチ、ヨシノアザミ、シシウド等がドライフラワーになっていた。

急坂の道では、ツルシキミ、モチノキ、ヤブコウジ、ツルアリドウシ、ゴンズイ、ケアクシバ、ミヤマナルコユリ、シロダモ等の実を観察した。またブナとイヌブナの葉の違いを確認した。

 弁当広場の横手の植え込みには、ノゲシ、イヌホウズキの花の他、最近までの温かさのためか季節外れの花がめざった。オオイヌノフグリ、ハナイバナ、コハコベ、ヒメオドリコソウ、トキワハゼなどの花。四季彩館に14時30分ごろ帰着した。

四季彩館でミーティング

■観察会で見た花と実をチェックし感想を述べあった。

■花の少ない1月は常緑樹の観察。2月と3月はTさんを先生にシダ植物の観察会を行う。なおTさんの話では今日新たに2種類の珍しいシダを見つけたそうです。

植物形態学の勉強
今月から3月まで、福岡教育大学教育学部の福原達人助教授のテキストにより勉強会を実施する。
今回はこの講義の概要と目標。陸上植物を構成するグループ。被子植物の細胞・組織・器官についてUさんより解説がありました。 専門用語が頻繁にでて、一度聞いただけではなかなか理解に苦しみますが、植物学の基礎となるものであり是非習得したい。

■Oさんが「いわわきネイチャークラブ」の来年のカレンダーを作成して下さった。いつもながら見事な出来栄えである。なおメンバーに、最初の一部は100円(100円は積立金から補助)、二部以上は200円で販売します。   
15時30分散会



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