岩湧山


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sanpo.no.198
15年4月13日(日) 晴れ 気温20℃
コース:滝畑ダム夕月橋7:00→千石林道入口8:30→上水場10:15→大滝11:30→相互山荘跡13:30→五つ辻14:25→ダイトレ→岩湧山15:20→ダイトレ滝畑→滝畑ダム夕月橋18;20
メンバー:2名

夕月橋
 朝霧が雲のように立ち込め,今にも雨が降り出しそうな曇行きである。。今日の天気予報は快晴。気温もグングン上がり20℃の予報。
滝畑ダム夕月橋から、民家の間を抜け千石林道入口にかけての道端には、数々の里の花が咲き始めた。

この間、カキドウシ、ヒメウズ、セイヨウタンポポ、カンサイタンポポ、スズメノヤリ、アオキ、カテンソウ、オオイヌノフグリ、コハコベ、ミドリハコベ、ミミナグサ、オランダミミナグサ、ノジスミレ、ヤブニンジン、キランソウ、ノジスミレ、キュウリグサ、ジロボウエンゴサク、ムラサキケマン、タネツケバナ等20数種類が確認できた。

特に目立つのは石垣の間に咲いたノジスミレ。花は紫色濃く、葉は細長いへら形。



 これだけ咲けば手元の手帳に記録するのも忙しい。花名の前に独自の記号をつけていく。
▲つぼみ膨らむ、△咲き始め、◎見頃、〇残り花、×終了など。

 また、分りにくく判別が難しい花は山渓の「野に咲く花」「山に咲く花」「樹に咲く花」の図鑑で花や葉、茎などチェックする。
主だった草花をデジカメに撮る。
こんな作業で進むため、普通に歩いて30分のところ1時間以上も要することもしばしば。
いつも見られる観察風景である。

千石林道入口

サツマイナモリが満開となった。この花が咲く環境は薄日さす木陰で、湿り気のある小石の多いガレ場のようなところに群生。よくぞ生き残ってくれたものと感謝する。


 
 タチツボスミレやオオタチツボスミレ、ナガバノタチツボスミレが咲き始めた。同行のUさんと図鑑とにらめっこしながら確認しあう。
距の色が淡紫色、心形の葉のタチツボスミレ。距の色が白く、円心形の葉のオオタチツボスミレ。花の色が濃紫色、長三角形の茎葉のナガバノタチツボスミレ。
 線香花火のようなヌカボシソウの花は、さっさと歩くと見落としてしまいそう。
実を食べるのが楽しみなナガバノモミジイチゴの白い花が咲き始めた。


タネツケバナとオオバタネツケバナの区別がなかなかややこしい。オオバタネツケバナは頂小葉が大きいが、大きさがよく似たものは判別が難しい。
黄色に谷を染めるヤマブキの出番である。日当たりの良い山の斜面ではそろそろ咲き始めた。これから1ヶ月、まるで秋の紅葉のように千石谷を染めていく。
 
 キブシは○の残り花、ミヤマキケマン、クサイチゴ、オカスミレ、アケビ、シャガは咲き始めの△。ヒサカキ、ニワトコ、ヤブツバキ、ヤマザクラ、ヒメカンスゲは◎。

オカスミレは側弁の基部以外は無毛。有毛はアカネスミレ。


上水場
スズシロソウが真っ白な花をつけ、あちこちで群生。


葉に赤い縞模様のついたタチツボスミレはアカフタチツボスミレではと、図鑑を拡げる。やはりそのようだ。
 
イヌガヤの花は咲いているのか分りにくい。Uさんが枝にふれると花粉が飛散したので、開花を確認できた。

大滝
 山道を川の方へ下ると「眞の道 大滝修練道場」とかかれた建物があり、川の奥には落差15mほどの大滝;別名「うなぎの滝」が大きな音をたて落下している。滝畑48滝のうちでも形、姿の最も美しいと知られるこの滝には時折、滝に打たれる信者の姿が見られる。

 滝壺の前で元気な小学生2人づれの父子が弁当を拡げていた。我々も昼食とした。
シロバナネコノメソウは×の終了だった。ここでもミヤマカタバミ、スズシロソウの花が満開だった。

 大滝を後に上流へと出発。
滝上の大岩を過ぎたところではラショウモンカズラの蕾が膨らみ、来週頃開花しそうである。このポイントと少し上流では毎年、群生するのが見られる。

ユキワリイチゲは咲き終え、ヤマルリソウが咲き始めた。この辺から相互山荘、五つ辻の手前まであちこちで咲き、目を楽しませてくれる。



スミレの中では最も早く咲くアオイスミレ、ほとんどが咲き終えたが木陰ではまだ見られた。
ツルカノコソウ、キツネノボタンなどが咲き始めた。

 今月初め弁当に食いついてきた猟犬が今日も現れた。運動をさせているという飼い主に注意した。ハイカーの弁当を襲う猟犬はもっと他の場所へ連れて行って貰いたい。
 ヒトリシズカはこの辺の道の両脇に咲くが、今年は舗装され期待薄。道端の山などは咲くだろうが。テバコモミジガサの芽生えもたくさん確認できた。

相互山荘跡
あるとき、なぜタクシー会社が山を持っているのか。地元の方に聞いたことがある。

 相互タクシーが終戦後、石油不足のとき大阪や京都の雑木林を買収し、炭を焼き木炭車を走らせたという。 石油不足で廃業するタクシー会社を横目に、創業者の多田清氏の先見の明であちこちの山林を買収、石油危機を乗り切った。タクシー運転出来ない社員をここで働かせたという話だった。

 広大なこの山林は現在、滝畑簡易水道保全のため河内長野市が2002年に約200ヘクタールを買収、ブナやクヌギを植栽し自然林に戻す計画があるという。
自治体が山林を買収するのは珍しいと新聞紙上に出ていたが、この杉、ヒノキの植林帯を自然林に戻す話は本当であって欲しい。

 以前はここまで林道があったが平成10年台風の後、倒木の片付けや新たな植林のためと、カヤ原の作業の便を図るため新たに林道が山頂カヤ原入口まで付けられた。以前は谷沿いの山道が続き、楽しい歩行が出来たが。

林道の門を過ぎた谷川には、今年もメタカラコウが芽生え初めた。ヤマネコノメソウが見られた。


伐採された山の下の林道脇にヒゴスミレが一株開花。


 

また一際色濃いニオイタチツボスミレや、葉の模様がきれいなフイリシハイスミレが見られた。



アオイスミレがここでも咲いていた。ミヤコアオイが咲き始めた。
アブラチャンの雌花、雄花の写真を撮る。

五つ辻
 五つ辻からダイトレを歩く。
山頂下のウワズミザクラはまだ開花せず、葉が出始めた。

山頂
 山焼きから免れた10cmほどの小さなサイゴクキツネヤナギだけが唯一の花。跡は黒々とした地肌のカヤハラ。

ダイトレ滝畑へ
 シュンランが咲きショウジョウバカマが咲き始めた。
この辺は色の濃いニオイタチツボスミレばかりである。お目当てのザイフリボク、フデリンドウは見当たらない。

毛のないウグイスカグラが開花していたが、毛のあるヤマウグイスカグラはまだ蕾。陽だまりで早咲きのヤマツツジが一株咲いた。
またウリカエデが咲き始めた。




夕月橋
 
U さんが舗装道路の割れ目でノジスミレの大株を見つけた。
帰着は18時20分でかなり疲れたが、結構たくさんの花に会え充実した一日だった。
 
 


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