岩湧山


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sanpo.no.183
15年1月12日(日) 晴れ 気温10℃

いわわきネイチャークラブに参加

コース:四季彩館→いにしえの道→いわわきの道→ダイトレ→ダイトレ巻き道→山頂→急坂の道→四季彩館

メンバー:12名

四季彩館に集合
 花がない季節で参加者の出足が危ぶまれたが、予想に反して多数が参加した。
常連のOさんが欠席したが、久し振りに花の構造に詳しいMさんが出席した。
Mさん、早速マタタビの冬芽を説明。
「葉柄内の葉脇の葉枕に冬芽がある」と専門用語で、こちらはチンプンカンプン。いつものようにMさんの説明は、レベルが高い。

 リーダーのUさんから、今日観察する常緑樹のそれぞれの特徴の説明があった。
(それぞれの特徴については、最後の ご参考 「1月の観察会のしおり」より一部抜粋 を見て下さい。)

常緑樹のクスノキ科のクスノキ、ヤブニッケイ、ホソバタブ、シロダモ、カゴノキ。
ブナ科のアカガシ、ツクバネガシ、アラカシ、シラカシ、ウラジロガシ。
常緑の針葉樹ではモミ、ツガ、イヌガヤ、カヤ等。

 「観察会のしおり」を受取り、アイゼンの持ち合わせがない者は借用した。
今日は気温も高く空は晴れて、観察会には絶好の天気となった。

いにしえの道
 四季彩館の下にある野草園の横では、数種類の照葉樹が生育している。
「早春に赤い花をつける、クスノキ科のイヌガシ」四季彩館の職員Oさんの説明。
私はこの木を始めて見た。カシと名がつくのでブナ科と思われたが、クスノキ科であり、嗅ぐとクスノキの匂いがした。

その他、ホソバタブ、シロダモ、ネズミモチ、サカキ、ヒサカキ、シキミ、アラカシ、ツクバネガシ、ウラジロガシ、ヤブツバキ、モチノキ、イヌツゲ、モミ、カヤ、スダジイ等が見られた。  岩湧寺下では木肌が鹿模様のカゴノキ、百両といわれるカラタチバナ、マキノキなどの常緑樹を確認。


       イヌガシ

いわわきの道
 この山で見られる常緑樹は、岩湧山の登り口まででほとんど出尽くした。
いわわきの道ではナワシログミ、ヤブニッケイ、モミ、イヌガヤ、ツルマサキが見られた。

竹やぶのポイントで、先行組みが雑木林内を調査したが、冬場のため、目ぼしいものは見つからなかった。
その上の杉林を抜けた雑木林でモミの木を観察。その足元でミヤマウズラの花柄を見つけた。いつもミヤマウズラは思いがけないところで出会う野草だ。
ダイトレ分岐までは残雪が凍りつき滑りやすい。

ダイトレ巻き道
 モチツツジ、ソヨゴなどが見られた。
12時頃となり、いつものところで楽しい昼食。今日は天候もよく、春のような陽だまりの中の食事で、会話もはずんだ。

山頂
 風もなく絶好の天気だが、雲やカスミで遠くの見通しが悪かった。
階段は雪が溶け出し、道はドロドロ。日陰には残雪あり。
いくつかのグループが食事していた。冬場では珍しく人出が多かった。
Uさん、Aさんに続いて山頂広場のゴミ拾いを皆でした。
新年の登頂記念撮影をした。


       新年の登頂記念写真

急坂の道
 残雪が残る坂道は凍りついて、下るのが怖い。
それでも、先行グループがアイゼンなしで軽やかに下るので、そのままで慎重について行く。
一人がすべって転ぶのを見て、後行グループがアイゼンを着ける。

 この道の常緑樹で新たに見たのはアセビ、アオキ、ツルシキミ、ヤブコウジ、クロソヨゴ、シロダモ、ビナンカズラ、テイカカズラ等。
クロソヨゴはこの道では始めてみた。いつも通っている道だが, 気がつかなかった。
クロソヨゴは鋸歯がありふちは波打たない。逆にソヨゴは鋸歯がなくふちは波打つ。
ここでも今朝ほど見たイヌガシが見られた。岩湧寺にあるカヤの木の葉先は鋭くとがり、非常に痛い。カヤの葉先で突くと痛いのが特徴。

四季彩館でミーティング
 四季彩館には14時40分に帰着した。
採取してきた標本を同定後ミーティング。

    1.本日は常緑樹約30種ほどを観察した。
    2.来月の観察会のテーマはTさんを先生に、冬シダの勉強会をする。Tさんよろしくお願いします。
    3.来週の日曜日の19日にカヤの刈り取り作業がある。ボランテアとして呼びかけがあり、Uさんが当会を取りまとめて申し込む。
      今のところ4名が参加予定。
    4.来期の観察会の方法など打ち合わせ。 基本的には今期と特に変わらない。
最後に、観察会には参加しなかったが、Dさんがミーティングに同席した。そのDさん、和菓子の差し入れ有難うございました。
午後15時30分散会。




ご参考 「1月の観察会のしおり」より一部抜粋   上田氏作成

●常緑のクスノキ科
 クスノキ科は、クロモジなど一部を除いて、大半が常緑樹である。茎は葉に精油細胞があり、芳香のある揮発油や粘液を含むのが特徴である。 岩湧山にはクスノキ属クスノキ、ヤブニッケイ、タブノキ属ホソバタブ、シロダモ属シロダモ、ハマビワ属カゴノキの3属5種が生育している。  葉が枝先又は上部に集まるタイプでは、3脈が目立ち、裏が白いシロダモ、形が長楕円形で芽が赤いホソバタブ、形が倒披針形で芽が赤くならないカゴノキに区別できる。枝先に集まらないタイプでは、葉柄が赤味を帯び長く3脈が目立たないクスノキと、葉柄が短く3脈が目立つヤブニッケイに区別できる。

●ブナ科コナラ属アカガシ亜属
 常緑高木。コナラ亜属(コナラやクヌギ)では目立たなかった雄花の苞がよく目立つ。  岩湧山にはアカガシ、ツクバネガシ、アラカシ、シラカシ、ウラジロガシの5種が生育している。鋸歯の殆どないタイプでは、大きくて葉柄が長いアカガシ、一回り小さく葉柄が短く裏の葉脈が突き出たツクバネガシに区別できる。鋸歯が多いタイプでは鋸歯が大型のアラカシ、鋸歯が小型で、裏が粉白色で葉脈が突き出た縁が波打つウラジロガシとそうでないシラカシに区別できる。

●葉が2列に並ぶ線形の針葉樹
 科や属が違うが、葉が線形で、枝の両側に二列に並ぶ針葉樹はよく似ている。岩湧山で該当するのはマツ科モミ属のモミ、同ツガ属のツガ、イヌガヤ科イヌガヤ属のイヌガヤ、イチイ科カヤ属のカヤである。  マツ科のモミとツガは葉の先端が窪み、ツガは葉柄、葉枕、気孔帯が目立つが、モミはそうではない。葉の先が尖る他の2種では、イヌガヤは葉が長く、気孔帯が広いが、カヤの先端はさらに鋭く気孔帯は狭い。但し、モミの幼木等は、先が2裂し尖る。




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