岩湧山


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sanpo.no.166
14年9月1日(日) 晴れ 気温34℃
自然観察会「いわわきネイチャークラブ」に参加

コース:四季彩館→いにしへの道→いわわきの道→ダイトレ巻き道→岩湧山→急坂の道→四季彩館

メンバー:15名(内初参加3名)



 集合予定の午前9時頃に四季彩館に到着。既に大勢の人が来ていた。この分なら15名以上かなと思いながらテラスの植え込みを眺めると、モッコクの木に絡みついたヤブガラシの花に青い模様のきれいなモンシロチョウが忙しそうに蜜を吸っていた。四季彩館の職員のOさんに尋ねると「アオスジアゲハ」と言う。OBさんを呼んで二人で写真を撮る。


***四季彩館に集合***

 四季彩館内に戻り出発前の準備。
出席名簿にサインし参加費を支払う、会報を受取り名札をそれぞれ着ける。ルーペのない人は常備のを受取る。初参加者はインターネットを見て堺市からYさん、普段の観察活動で出会った大阪市のKさん、Dさん(いつもは奥さんだけの参加)の3名。15名全員がそれぞれ自己紹介。
 リーダーのUさんより今日の見所の説明を受ける。
カヤ原の秋の七草、いわわきの道のナンバンハコベやナベナ、ノササゲ、ナツフジなどのマメ科の花、ハダカホウズキやヒヨドリジョウゴなどのナス科の花、岩湧寺下のシュウカイドウなど。また山道の草刈から野草を保護するため竹杭を15本ほどと、草刈鎌を四季彩館から借受けした。

***いにしえの道***

スタート直後に岩湧寺下の草むらで朱色の目立つナデシコ科のフシグロセンノウ、紫色に咲くヤブマメが目立ち、それぞれ愛用のデジカメで撮影する。
フキの葉に似たノブキは花の上から下にかけて咲くので有限花序、逆に咲くのは無限花序と言うそうです。
中国原産のベコニアの仲間のシュウカイドウは、お寺の手入れで年々広がり、ここのお寺の名物となって来た。今7分咲きというところ。雄花が咲き、続いて三角の子房をつけた雌花が重そうに下向きに咲き始めた。この花は葉脇につくムカゴで増える。少し上で白子と思われる真っ白な花のシュウカイドウが見つかった。

不動の滝のイワタバコの花が少し残っていた。周りにはマツカゼソウヌスビトハギが満開で、ヒヨドリバナが咲き始めた。。Sさんがワサビの株を見つけた。
栗の実に似たトチの実が落下し始めた。この実を手に手に皆さん嬉しそう。しばし童心に返って。
北アメリカ原産の帰化植物のダンドボロギクは上を向き、アフリカ原産のベニバナボロギクがうなだれて、並んで咲いていた。



***いわわきの道***

今まで35種の花を観察し、登山口のいわわきの道に到着が10時45分となる遅いペース。
オオバコは両性化で雌花が先に咲き、続いて雄花が咲きます。このことを異熟性があると言います。、雌花が先に咲くことを雌性先熟と言い、逆を雄性先熟と言う」とUさんの説明。なぜ雌花が先に咲くのか。風媒花のオオバコは周りの雄花が先に咲くと、古いオシベに邪魔されて花粉が届かないからとか。

続いて「オトギリソウとサワオトギリの違い。サワオトギリには僅かに葉柄があり、黒点は葉の縁にある。」

先発組みに展望台で追いつく。
高齢者の3名が休んでいた。「河内長野市南が丘から一徳坊山、網笠山経由岩湧山から紀見峠に向かう」と言う、お元気な一団だ。
「ほととぎすの胸毛に似る」ヤマジノホトトギスが咲いた。珍しいアマチャズルの花が咲いていた。風車のようにテイショウソウが咲き始めた。



ナンバンハコベのポイントに到着。先月設置した竹杭に守られ、期待通りユーモラスに開花した。同じくナベナも咲いた。代わる代わる撮影した。竹杭が 通行のすれ違いに邪魔になりそうだが、花を守るため致し方なし。。

ヒヨドリバナでアサキマダラが蜜を吸っていた。「これから温かい台湾まで飛んで行く」とUさん。
先月Tさんから教わったイワデンタ科のシダ植物「ヘビノネゴザはネーミングもおもしろいが、金鉱脈を探す指標植物だそうだ。シダの中に金が蓄積し、鉱物を調べるよりはるかに正確だそうだ」と私。他に指標植物としてヤブムラサキがあり、各国で研究が進められているそうだ。






竹林からすぐのところでツリフネソウが群生していた。クマバチやマルバハナバチが忙しそうに蜜を吸っていた。ここにもツリフネソウを草刈から守るため竹杭が必要だ。持ち合わせてなく、杭をしないでも残してくれるだろうか。
ダイトレ脇にはツルリンドウが咲き始めた。
72歳と高齢のDさんは、お元気でこちらが着いて行くのがしんどいくらい。久し振りの岩湧山だそうだ。
ダイトレ巻き道に入り林道上の木陰に到着12時40分、遅い昼食となった。

マルバノホロシなどが咲いた。「ヒヨドリジョウゴに酷似しているが茎や花が毛深く白花がヒヨドリジョウゴ、毛がなく紫花がマルバノホロシ、たまに白花もある」とUさん。

***山頂***

13時40分山頂到着。
咲き始めたススキの花をルーペで観察した。黄褐色の葯と赤紫色のブラシのような柱頭が見えた。
地を這い、毛の多いネコハギが山頂広場に開花。またワレモコウ もたくさん花をつけていた。ルーペで覗くと黄色い花粉を出していた。草刈から守るため、ワレモコウの回りに持参した竹杭を何本も打ち込んだ。「ワレモコウのコウは香か紅か」意見が分かれた。後で調べると、吾木香、吾亦紅、我毛香とありいずれも正解だった。また葉をもんでスイカの匂いがするのを確かめた。

ネコハギを観察する様子に、他の登山者が珍しいそうにいろいろ質問して来た。「今見ている花はなんと言うのですか」、「下で見た、白い菊のような花は何ですか」など。

引付を起こしてこの草の葉を食すると、あまりの苦さに気がつくというヒキオシの葉を皆で試食し苦さを確かめた。

一列になり下山開始。










***急坂の道***

シコクママコナが見頃、林内に誰かが植えたと思われるシラカバの木が2本、哀れにもこの暑さと乾燥で枯れていた。
先行するTさんが戻り、なにか探し始めた。私もその方向を見ると小さなミヤマウズラが咲いていた。よくもまあ、こんなところで。以前、いわわきの道にあったが2年前からなくなっている。 岩湧山では絶滅したかと思っていたが。
皆それどころではないと、眼鏡を探し始めたのだった。
「Dさんが山道の濡れた裸木に、足をすべらせ谷側に転んだがTさんの補助で事なきを得た、転んだ弾みに眼鏡をなくした」そうで怪我もせず本当によかった。
ナツフジヒメドコロの花を見ながら四季彩館へ。

 ***四季彩館でミーティング***

観察会の感想を述べあった。いろんな種類の花が分かって概ね良好だった。
今日は蒸し暑い真夏の天候だったが、80種以上の花を観察でき、説明にあたったUさんご苦労様でした。
午後4時過ぎに散会。

(西原記)


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