かなり急な長い登り、親切にもトラロープが何箇所も設置されている。長い登りの後ちょっと下った鞍部が貝吹金剛で新たな標識には塔ノ谷峠と表示されている。ここは上葛川への分岐ともなっている。なお上葛川の民宿「うらしま」は休止中のようである。玉置山の宿は山伏の修行者以外殆ど受け入れしていないと聞く。奥駆縦走者にとり玉置山周辺の宿はなくテントかツエルトが必要だ。ちょっと登ったところに貝吹之野の石標がある。ここから上葛川に向け法螺貝を吹くと村人が竈に火を入れ山伏たちの食事準備にかかったといわれる。
(森沢義信氏著「大峰奥駆道七十五靡」より)
急登が続いて すず竹が繁る平地の小ピークが第13靡「香精山」こうしょうさん、標高1122mである。三等三角点があり、あたりが切り開かれていた。この付近はすず竹が多く毎年の刈払いが大変だろう。香精山を下り鉄塔下の明るい場所に出ると地蔵岳が見えてくる。
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香精山 |
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地蔵岳方面 |
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葛川及び槍ケ岳方面への分岐を過ぎる。ようやくヒメシャラやシャクナゲが見られるようになり大峰らしくなる。桧之宿跡を過ぎると第14靡「拝み返し」、第15靡「菊ケ池」の行所が相次ぐ。
間もなく今日の折返し地点の「東屋岳」標高1230mに着く。
帰りは野草などを愛でながらゆっくりと戻る。行きには目につかなかった小さな野草が以外にも多い。ハルノタムラソウは久し振りだ。分厚い葉っぱに斑点のあるのはチャボホトトギスかな。他にミヤマウズラ、ツクバキンモンソウかなと思えるのが。