岩湧山


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sanpo.no.101
13年9月2日(日) くもり。 気温25℃

自然観察会「いわわきネイチャークラブ」に参加

コース:四季彩館→いにしえの道→いわわきの道→ダイトレ(巻き道)→山頂→急坂の道→四季彩館

出発前
初参加は堺市のTさん、大阪市生野区のHさんご夫妻、富田林のKさんの4名と今年始めて参加のFさんを含め総勢15名と過去最高となった。

いつものように、リーダーのUさんが用意した「しおり」の受領兼出席者名簿にそれぞれサイン。この「シオリ」は2年余続いたこの会の記録であり、いわゆるバイブルみたいなものでこの会をまとめあげている。

自己紹介の後、Uさんより今日のスケジュールと花の見どころなど説明を受け、午前9時40分に四季彩館を出発。ただし、Dさんが都合で館内に残り書きものをすることになった。

フシグロセンノウが咲いた
岩湧寺の下方では、まず目につくのはピンク色のゲンノショウコ、キンミズヒキ、ヘクソカズラ。草むらの上を這い回るヤブマメが紫色の花をつけだした。秋になるとマメ科の植物が一斉に花をつける。
うれしいことに今年も去年と同じ場所にフシグロセンノウが咲いた。

Uさんの熱心な説明にメモをとる初参加の皆さん。花の名前、花のいわれ、花の仲間、花の構造等を次々に記録していく。アキノタムラソウ、フジカンゾウなど始めて聞いた名前のが多いようだ。
H婦人はデジカメで片っ端から草花を撮影する。最後尾でOさんは時々大きなカメラを構えている。

シュウカイドウが見頃
年々植栽が広がりこの岩湧寺の名物の花となってきた。「この花はシュウカイドウ科で、中国原産のベコニアの仲間、雌雄同株、葉腋にムカゴがつき自然に落ちて繁殖する」との説明に、皆で花を手にふれて雄花、雌花を確認。

Mさんとスケッチの得意なSさんが2人で先に行ってしまったが、千手の滝にイワタバコを見に行く。まだ少し花が咲いており観察できてよかった。付近でHさんが50cmほどの珍しい草を見つけたが花がなく解らなかった。白成大神を祭るお稲荷さんの石垣の間にも、小さなイワタバコの花が見られた。

いにしえの道にもどる。トチバニンジンの赤い実が目を引く。あかまんまの「イヌタデのイヌは役に立たない意味」とUさん。すかさず「犬死はむだな死に方」とKさん。
岩湧山の登り口で10時25分。ここまでで28種の野草を確認。丁寧な説明でだいぶん時間を要した。

いわわきの道では

ミズヒキ、キンミズヒキ、クサアジサイ、マツカゼソウ、ヒヨドリバナ、ヤマジノホトトギス、オトコエシがあちこちで観察できた。「根生葉がダイコンの葉に似るからダイコンソウ」と説明するUさん。
「ツルアリドウシの白い花は知っているが赤い実は始めて知った」とHさん。


道端の草刈がすんだ。先月、草刈から野草を守る竹杭と白いビニールテープを回収しながら登る。種子をつけるまで1〜2カ月そのままおく予定だったが、美観上よくないとの意見があったため。
この防護杭のおかげで残したい野草がたくさん守られた。去年のような無念の思いをせずによかったと思う。
また、防護柵のないところでも四季彩館の職員の立ち合いのおかげでクサアジサイ、ツリフネソウ等数カ所が草刈から守られていた。 展望台の水場では、ミズタビラコ、ミゾホウズキが僅かに1個づつ咲いていた。Fさんが後から追いついて来た。

ナンバンハコベが咲いた。
絶滅危惧種に指定はされていないが、珍しいナンバンハコベが今年も咲いた。
皆の期待の花である。ちょっとユーモラスで、中国あたりからの渡来を思わせるこの花は、日本固有種である。みんなが代わる代わる撮影。その奥にナベナが咲き始めた。
同じ場所でケンポナシの実がつきはじめた。このサンゴのような花序の軸は秋になると美味しい。

竹林を過ぎ、ツリフネソウ、イタドリが咲き始めた坂道を登る。去年までのツリフネソウのポイントはヒカゲイノコズチ等に占拠され今年は僅かだった。ここでMさんSさんに追いつく。
巻き道に進んで昼食休憩。山頂到着は1時30分頃。

山頂でワレモコウが咲き始めた。 山頂ではヨシノアザミ、ヤマニガナ、マルバハギ、シラヤマギク、コオニユリ、オトコヨモギ、ススキ、コガンピ、キキョウ、オミナエシ、ハバヤマボクチ、ヒキオコシ、ノカラマツ、センボンヤリ、ワレモコウ、サワヒヨドリ等の花が見られた。

蝶の幼虫があった。Aさんの出番だ。「クロアゲハかカラスアゲハの幼虫だ」というが気持ちの悪い虫だ。


私が去年株を見つけ、保護柵などで手厚く守ってきたワレモコウが 今年、見事に咲いてくれました。それも15〜20本も。 この紫の色あいと素朴さに魅了されます。本当に守ってきてよかった、よかった。
Uさんから「西原さんのお陰」といわれ、今までの苦労を忘れ喜びました。
皆で撮影したりスイカのような葉の匂いを嗅いだりした。Sさんはスケッチためここに残りました。

  「秋の野に 気取って咲いた ワレモコウ」 ・・・ 作者西原
  咲き競う秋の野原で、枝先に茶色の固まりをつけ、およそ花らしくない花 吾も香なりと強く主張して咲く花、ワレモコウがきどって咲きました。   今年、見事に咲いてくれました。 この紫の色あいと素朴さに魅了されます。   ワレモコウには特に思い入れがあります。 00.7.22山歩日記no43御参照 去年見つけて保護柵を私が勝手に作り守り、その後Nクラブが引き継いで来ました。

山頂西側斜面を下る
ヒキオコシが咲き始めた。葉っぱはセンブリに似たすごい苦さで、「ひきつけで気を失った人でも目を覚ます。」といういわれのこの野草を皆で試食?苦さを味わう。
H婦人はしきりにススキの根元のナンバンギセルを探すが枯れた花ばかり。我々も一緒になり探すがやはり枯れた花のみであった。

「いわわきに ひっそり咲いた おもいぐさ 誰か思わん うす紅の花」 ・・・ 作者西原
  「おもいぐさ」とは万葉集に読まれたナンバンギセルのことです


今年2回目の山道の草刈から守る野草に、先に回収した竹杭でマーク保護した。ワレモコウ、ヒキオコシ、ノカラマツ、サワヒヨドリなど。

急坂の道を下る
予定の時間をかなりオーバーしたので大急ぎの下山となった。
途中ではシコクママコナが開花した。テイショウソウの開花もあったとA婦人の報告があった。

四季彩館でミーティング
初参加の皆さんの感想はかなりよかった。今日だけでも80種以上の野草の名前を覚えるのが大変との声に、2〜3回続けて参加すれば自然と覚えるとMさん。

リーダーのUさんより、カヤ原東部カヤの移植作業への当会の協力について説明があった。
有志の者がボランティアの形で協力することになった。 午後4時20分散会。

                                                                                             




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