県指定
天然記念物 戒長寺のお葉つきイチョウ
昭和53年3月28日指定

 イチョウは、裸子植物のイチョウ科に属する植物である。
イチョウが下等なシダ類のように胞子を作る胞子植物と高等な種子を作る種子植物との中間性を帯びていることは、受精に際してシダ植物と同様に運動する精虫ができるので、植物学上きわめて有名である。
 更にまた、イチョウの珍希な仲間として、お葉つきイチョウなるものが発見されて一層イチョウが形態学上胞子植物と種子植物との中間性を帯びている実証となった。
 その理由は、シダ類がその胞子を葉につけるのと同様に、お葉つきイチョウがその種子を葉につける現象である。この現象は、植物の系統的進化発生を示すもので学術研究資料として、きわめて貴重な存在として知られている。榛原町戒長寺境内にあるお葉つきイチョウは、目通り4m、高さ30mあり、樹勢もきわめて旺盛である。
 現在、県下で指定となっているものには、宇陀郡曽爾村の門僕神社のお葉つきイチョウ(目通り3m、高さ17m)・吉野郡下市町の安楽寺のお葉つきイチョウ(目通り4m、高さ30m)および桜井市観音寺のお葉つきイチョウ(目通り4.8m、高さ25m)の三件がある。

 平成13年3月

                       奈良県教育委員会 (戒長寺説明板より)




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